初心者絵描きが「資料を見ないで絵が上手くなれる」方法を教えて下さい!
ハイハイ、良いですよ〜
って、無理に決まっているだろーー!!(ノリツッコミ)
最近こんな言葉をSNSなどで良く見かける。
「絵が上手い人は才能があるから、初心者みたいに資料を調べることはない」
「何も見ずに絵を描ける人はプロ。見て描いている奴は初心者」
「絵が上手い人は資料を調べて描かず、想像だけで描くのが当たり前」
「資料を調べるなんてずるい」
ヌオーー!!なんでやねーーん!
最近の絵描きは絵を描く際に資料を調べたり、見たりするのが「ずるい」なんて思っているのかーー!
たまにGoogleでイラストの資料について探している際にも一番上に「絵 資料 ずるい」ってサジェストで出てくるから、もうこれは流石にアカンやろ……
ということで。
今回はそんな(主に絵描き初心者の)勘違いを真っ向から否定し、特に「絵描き初心者であるほど資料を活用する大切さ」について解説しようと思う。それではどうぞ。
資料を見る大切さについて
絵の資料について
いや、そもそも絵の資料ってなんやねんって所から解説していく訳だが、私が思うに……
- プロが著書した「参考書」「教本」
- 静止物や背景として使える「写真」「小物」
- ポーズのついた「フィギュア」
- その他キャラを表現するための「服」「装飾」
である。
最近はGoogle検索とかで沢山の画像が表示されるので、昔みたいに自分で写真を取る手間が省けているのは便利なことだろう。
で、資料を調べるのはどんな時?
例えば自分はリンゴを知らないのに、相手から突然「大至急、リンゴの絵を描いて下さい」って言われたら、まずはどのような行動を取るべきなのか?
まずリンゴを知らないですからね。もちろん「リンゴについて調べる」でしょう。当たり前です
今だと検索エンジンで「リンゴ」と検索するだけで、リンゴの画像が沢山表示されるから、自分で分からないことがすぐに知れる。
そして慣れないうちは見ながら描くでしょう。知ったばかりなので。
↓またリンゴを既に知っていたとしてそれを見ないでパパっと描いた場合は、このような絵になるだろう。

これだけでも「あ、リンゴだ」って誰しもが分かる。
しかしこのリンゴを「もっと丁寧に描く」となると話が変わってくるのだ。
陰影はどうするか、ハイライトは何処に落とすべきか、くぼみはどう表現するのか、どうすればリンゴが美味しく見えるのか……
と、リンゴを丁寧に描くためにはこのように色々考えつつ、じっくり見ながら描かなくてはならないのだ。
むしろ上手い人こそ相手を「上手い」「綺麗」と思わせるために、上記の考えを持ちながら描いている。だから見なくても描けるんですよね~(理由は後述)

「人体」と「建物」
先程は簡単に描けるリンゴを例に上げたが、次に「人」や「建物」ならどうか?当然リンゴより描く難易度が高い。
てか、これらは尚更、資料を見ることが必須である。
想像では描けないし、覚えることも多いし、下手すると作画崩壊はするしで、もう大変。
まずよく絵描きが描いている身体のあらゆる関節や口と目を動かして、まるでキャラクターが生きている様に見せる人キャラ。キャラの頭身が上がるほど描くのが難しくなり、人体の構造にかなりのズレがあればキャラ絵は一気に下手に見えてしまうのが特徴である。主に顔と全身は(ほぼ全部やん)
だから人キャラは、人体の構造を知らずに想像で描けるものではないのだ。
次に建物だ。先程紹介したリンゴなら描くのに慣れさえすれば、初心者上級者問わず誰でも見ないで描けると思う。
しかし「窓の沢山ある複雑な構造をしたビル」を丁寧に上手く描くなら?
毎日窓の沢山ついたビルをじっくり観察したり、沢山のビルのイラストを上手く描いているビルマニアなら、見ないでそのビルを上手く描けるかもしれないが。
それ以外は……見ないで描けないでしょう。ちなみに私でも描けません。
パース、奥行感、窓の形、ビルの質感など覚えることが多いぞ
そのため資料をあまり調べない、資料を見ない初心者がもしも「キャラと建物がある一枚絵を想像だけで描いた」場合、確実に違和感を出すことになるだろう。

結論、むしろ初心者だからこそ
資料を見るべし!
初心者のクセして、いきなり上手い人みたいに何も見ずに想像だけで絵を描いたところで、絵を上手く描ける訳がないのよ!
でももしかしたら、絵を描いたことがない友達やネット民から「資料見ながら描くとか、下手くそなの?」とか言われちゃったから、何も見ないで想像で絵を描かなくてならないって状況に陥っているとか。だからこういう勘違いが広がっているのかもしれない。
いや、そりゃあ、私も言われた経験がありますよ。それを言われたから、想像と自由で絵を描いていた時期もあったさ。
でもね、その考え方で絵を描いたとしても、結局は画力なんて上がらなかった。むしろ成長を大きく阻害していたのだ。
また上手い人こそ資料を調べていないと勘違いされがちだが、逆に上手い人こそ膨大な資料を調べているのだ。
頭の中に調べたもの沢山が詰まっているからこそ、説得力のある絵が描ける(RPGで例えるなら経験値が高い、レベル70みたいな)

自分は今でも親戚から「上手すぎ」って言われるほどそこそこ上手くなったが、今でも資料は沢山調べて毎回保存している。教本も30冊以上は所持してます
多分このような絵描きでも、資料を集め続けないといけない思うんだ。

そしてどんなに絵が上手い人でも自分が描いたことのないものがある場合は、それを必ず調べ、見ながら描いているのも事実。そもそも描いたことがないし、描くのに慣れていないからね。
そのため経験値が少ない初心者だからこそ、知らないことがあればまず調べてほしい。
資料を観察しながら絵を描いてインプット……つまり頭の中に叩き込むことが大切なのだ。こうすることで画力や知識が上達していって、いつかは見ないで絵を上手く描けるようになるはずだ。
「これはどうやって上手く描くのか?想像で描いてみよう」
ではなく、
「これはどうやって上手く描くのか?試しに実物を調べて、見ながら描いてみよう」
と、普段から調べる癖を付けましょう。そして慣れないうちは見ながら描きましょう。
あと友達にあんな風に馬鹿にされても受け止めず、「じゃあ、お前見ないで描いてみろよ〜」って言い返して、それで自分よりも下手くそだったら、遠慮なく笑ってあげて下さい。
最後に
絵に才能がある人こそ、資料を見ない。
だから何も見ないで絵を描き続けている絵描きこそがプロだと。
という勘違いを否定してみました。
同じ言葉の繰り返しが多かったけど、こうでもしないと分かって貰えないんじゃないかなと思い、ちょっとしつこくしてみました。
もし慣れてきたら次は応用として「構図の見せ方」や「ポーズの描き方」を学んでいけばいいだろう。何故なら皆に共感されたり、愛されるような絵を描きたいのならこれらは重視されているからだ。
しかし、
「これって構図被りやポーズ被りとして炎上しそうだし、むしろ調べて描く方が危険じゃない?」
って思われそうだが、逆にこの考え方は間違っているのだ。
詳しくはこの記事で解説しているので、こちらも合わせて読んでみてください。
下手な人こそ、資料を見るべし!
一生初心者のままで居続けるぐらいなら、自分から進んで学んでいこう!
そしていつかは君も、初心者脱却だ!
今日はここまで。
ではまた
絵の資料について紹介しているこちらの記事も読んでみてね
2022/3/4、少し加筆修正しました